はじめに
今では卒業式専用と考えられがちな「女子袴」。
装束直系の品格を持ちながら、その実用性は着物の中でも抜群です。
着物生活・装束生活の第一歩として、まずは女子袴姿を日常に取り入れることを提唱します!
人から袴姿について聞かれたとき・・・「ちょっとお稽古ごとがありますので・・・。」
これでバッチリ。個性が大切な今の時代、これだけの説明で十分です。 |
袴の利便性
現在では和服は礼装、稽古事など特殊な場合にのみ用いられる衣服になってしまっています。その理由はさまざまでしょうが、まず着用が面倒であり、帯が体を締め付けて苦しい、裾が気になって活動的でない、といったことが大きなマイナスポイントになっているでしょう。価格が高い、洗濯がしにくいといったこともウイークポイントです。これら和服の不便を一気に解消するのが「袴姿」なのです。
- (1)着用が容易
- 和服の着用が面倒である最大の理由は帯の結び方が難しいことです。しかし袴姿では帯は半幅帯や袴下帯と呼ばれる角帯のような簡単な帯を小さく蝶々に結べば良いだけです。上から袴で覆ってしまうので、形を気にする必要はありません。袴自体の着付けも簡単です。
- (2)苦しくない
- 大仰な帯で腹部を強く締め付けることがないので、長時間着用しても苦しい思いをしません。
- (3)活動しやすい
- 裾の乱れを気にする必要がありませんから、階段の昇降も問題ありませんし、場合によっては走っても大丈夫。唯一の活動的な和服です。
- (4)凛として美しい
- なにしろ宮中装束をモチーフとして考案されたものですから、その清楚で気品のある凛とした美しいシルエットは、ほかの和服では見られないものです。
これだけをとっても、現代のアクティブな女性にぴったりの和装が袴姿であることがご理解いただけるでしょう。