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平安装束間違い探し
下の図は、さまざまなマンガ・イラストから拾った、平安装束の間違いを集めたものです。
さて、いくつ間違いがあるでしょうか?数と正しい姿を考えてみましょう。
(平安時代としては摂関時代、藤原道長の時代を想定しています)
なお、色に関しては不問とします。
(C)綾麿
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正解
衣冠か冠直衣か狩衣かも定かでない、あやしい装束ですが、一応上から・・・。
- 冠が現代の物。平安時代には纓が湾曲せず、頭に固定するのに掛緒を使いませんでした。
- 首上(襟)が道行きコートのように四角くなっている。首上は丸く、しかも平安時代には下着が見えない詰め高襟です。
- 首上を止めるのに「とんぼ」でなく、水干のように紐を使っている。結ぶと華やかですが、上級装束は「とんぼ」止めです。
- 袍なのに狩衣のように肩口が縫い合わされていない。狩衣だとしても肩だけ切れているのではありませんし、そこを糸で「千鳥がけ」にすることなどありません。
- 袍なのに袖括りの緒がある。これは活動的な装束である狩衣や水干にだけあるものです。
- 笏がおかしい。衣冠の場合は神詣でなければ笏は持ちません。狩衣ならなおさらです。また笏が短すぎます。
- 笏の持ち方がおかしい。笏は右手で持ちます。ぐっと握らず、親指と小指を後に回し、前に回す指は3本です。
- 帯剣していないのに平緒を前に垂らしている。平緒は太刀を下げるために用いられるものです。
- 衣冠での帯剣には平緒は用いない。袴が指貫であることから、衣冠に見えます。衣冠での帯剣に平緒は用いません。
- 裾に襴(らん)がない。袍の裾には横向きに伸びる布「襴」があり、その左右端に「蟻先」があります。
- 「蟻先」の上辺が縫われていない。蟻先は下辺は開きますが上辺は縫い閉じられています。
- 衣冠で襪(しとうず)を履いている。衣冠の場合は例外を除いて裸足です。
- 草履履き。衣冠で草履を履くことはありません。襪はゆび股がないので、草履は履けないのです。
(正解の図を追加する予定です)。