装束は基本的に直線で構成されていますので、畳み方は案外と簡単です。
しかし一度いい加減に畳みますと、妙な癖が付いてしまって始末に困るものです。
縫い目折り目をきちんと守って畳むことが大切です。
折り紙のような折り目と合わせ目の重なりの大切さを認識して下さい。
紐は前後ろそれぞれを丁寧に たたみ、重ね合わせます |
引き上げ紐を伸ばし 下3分の1を折り上げる |
もう一度同じ形で折る 折り目正しく丁寧に |
腰部分を手前に 折り返して完成 |
まず大切なことは「しまうときに、とんぼを掛けない」ことです。一度着用した装束は本人が亡くなるまでとんぼを掛けてしまうことはないのです。これは重要な禁忌ですから注意して下さい。現実問題としては、とんぼを掛けたままにしておくと、力が掛かったときに受緒の輪が広がったり、首上が取れてしまうことがあるからなのでしょう。とは言え、畳む途中はとんぼを掛けておかないと扱いに困るのも事実です。ですから、とんぼを掛けて畳、最後にとんぼをはずすというのが現実的でしょう。
これは狩衣・袍、共に同じです。
1.首上を右に広げます | 2.袖を半分、前側に折る |
3.袖を身の下側に折り込む | 4.身を半分に折って下に折り込み完成 |
とんぼのあつかいについては狩衣と同じです。
(1)袍の前面を上にして、首上を右側にして、自分の前に横置きにする。
(2)袍の肩の畳み目をもとに、首上を合わせて整えてから裏側へまわす。
(3)袍の背面を整え、「はこえ」のたくれを直して背筋をまっすぐに伸ばして欄まで引き延ばす。
(4)袍の両脇の縫い目なりに下に延ばし、欄の末端を正しく合わせる。
(5)向こう側の蟻先を手前にに手前の蟻先を向こうへ畳む。つまり両方とも内側に畳む。
(6)欄の付け根を見当にして欄を右側(内側)へ畳む。
(7)蟻先同様に袖も向こうこちらの順に内側に畳む。
(8)袍の裾の線をもとに、欄の巾だけもう一度右側(内側)に畳む。
(9)最後に右側を左側(内側)に畳むと、首上が畳んだ中央に出てくる。
これでかどをきちんと整え、たとう紙でくるんで保管する。無臭の防虫防カビ剤(雛人形用が最適)を直接装束に触れないようにしながら仕込みます。装束をしまうときは、着装順に上からとりますので、袍は一番下、その上に上にと着装の逆順に重ねます。
ゆったりと伸ばし、左腰 (写真の上側)の折り目を きちんと合わせます 右足部分も折り目で伸ばし、 左足部分に少し重ねます |
下3分の1、折り上げます せっかくの左右の筋目を 崩さないように・・・ |
紐を丁寧にたたみ、 腰部分を上に折り上げて 重ねて完成。 しわをつけないように気を付けて |
袖をひろげ、両脇の縫い目に沿って 素直に伸ばします。 襟は縫い目に従うとこのように 自然なラインになります |
袖を前に右左とたたみ重ね、 下半分を三つ折りにします。 二つ折りでなくZ型の3つ折りなので 裾の単が下に来ます |
上半分を折り重ねます この後、飛び出ている襟部分を 内側に折り込んで完成します |