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有職文様素材集1ー3 (有職文・地文系・唐草ほか)

ページ全面に細かく広がる雅な壁紙            


輪無唐草
輪無唐草
轡唐草2 轡唐草4 轡唐草5 轡唐草6 轡唐草7
丁子唐草1 丁子唐草2 丁子唐草3
丁子唐草4 丁子唐草5 丁子唐草6
三條家唐花唐草
今出川家三つ楓
日陰蔓花菱1 日陰蔓花菱2 葵唐草1 葵唐草2 葵唐草3 葵唐草4
雲鶴1 雲鶴2 雲鶴3 雲鶴4
雲鶴筥形1 雲鶴筥形2 雲鶴筥形3 雲鶴筥形4
菊唐草1 菊唐草2 菊唐草3
菊唐草4 菊唐草5 菊唐草6 菊唐草7 菊唐草8
菊唐草9〜13
菊唐草かに八葉菊
菊唐草鳳凰1 菊唐草鳳凰2 菊唐草鳳凰3
菊唐草鳳凰 葡萄唐草に栗鼠(りす)
竜胆唐草1 竜胆唐草2 竜胆唐草3 竜胆唐草4
桐唐草1 桐唐草2 桐唐草3 桐唐草4
桐唐草5〜7
桐牡丹唐草 桐牡丹唐草 桐牡丹唐草
かと唐花1 かと唐花2 かと唐花3
小忌衣紋1 小忌衣紋2 小忌衣紋3 小忌衣紋4
裳の摺文 裳の摺文ネガ
三重襷地に桐竹鳳凰
松唐草1 松唐草2
舞楽装束・半臂の柄 向鳳凰菱と桐竹菱
舞楽装束・袍の柄 青海波に千鳥
舞楽装束・袍の柄 胡蝶
七宝1 七宝2 七宝3 輪違1 輪違2 亀甲1 亀甲2 亀甲3 亀甲4 入子菱 入子菱
清涼殿「朝餉の間」畳の縁(大和錦)
七宝錦
入子菱
一條家四方繋ぎ
亀甲大1 亀甲大2 亀甲大3 亀甲大3 青海波1 青海波2 青海波3 青海波4 青海波5
亀甲織物1 亀甲織物2 亀甲織物3(地紋) 亀甲織物4 亀甲織物5
亀甲織物6 亀甲織物7 入子菱地紋 入子菱地紋(現行) 亀甲地紋
御簾帽額(みすもこう)



解説

ここでは装束の地紋として用いられた文様のうち、唐草や錦などをモチーフにしています。
代表的なものについて説明しましょう。

輪無唐草(わなしからくさ)
公卿の袍の文様として最も一般的なもので、蔓草が繁茂した様子を象ったとされています。現代の神主さんが着ている衣冠という装束の文様はすべてこの輪無唐草です。
轡唐草(くつわからくさ)
公卿の袍の文様として輪無唐草と並んで一般的なのがこの文様です。上級の公卿は家ごとの文様が定まっていましたが、輪無や轡唐草は通用文様として用いられました。
丁子唐草(ちょうじからくさ)
鷹司家、西園寺家など公卿の袍の紋ですが、徳川将軍家でもこの紋に「三つ葉葵御紋」を組み合わせて用いました。丁子は香辛料のクローブで、縁起の良いものとされていました。
三條家唐花唐草(さんじょうけからはなからくさ)
上級公家の家にはそれぞれの家の袍の文様があって、これを「異紋」と呼びました。大臣になるまでは他の家と同じように通用紋様の輪無唐草や轡唐草(唐草のページ参照)を用いましたが、大臣任官以後はこうした家の「異紋」を用いたのです。摂家に次ぐ家格「清華家」である三條家が用いたのが、この唐花唐草です。
今出川家三つ楓(いまでがわけみつかえで)
三條家と同じく「清華家」である今出川家の異文です。同家の家紋は葉先が中央に向かう三楓ですが、この袍の文様は「尻あわせ三楓」となっています。
雲鶴(うんかく)
高貴な文様として、親王、太閤(引退した関白)などの袍の文様として用いられました。
菊唐草(きくからくさ)
皇室の文である菊唐草は、上皇の装束などによく見られます。このうち「菊唐草9〜13」は、大正の御大典で皇后が五衣長袴の際に着た、表着(うわぎ)に見られる文様です。有職文をモチーフにしていますが、時代の影響からか、どことなくヨーロッパの印象を受ける形式化した文様です。「菊唐草かに八葉菊」はこの文様のモチーフとなったもので、江戸時代の上皇の赤色袍に見られます。
竜胆唐草(りんどうからくさ)
熊野速玉大社に室町時代に奉納された白地直衣に見られる文様です。竜胆は桐と竹に似ていることもあって、天皇の桐竹文様を模してよく用いられました。
桐唐草(きりからくさ)
高貴な柄である桐文は使う人を選びました。桐唐草5〜9は、国宝の冠箱袋の錦(室町時代)に見られる文様です。
小忌衣文(おみごろももん)
平安初期の弘仁年間に神事に用いるものとして定められた装束が「小忌衣」です。「忌」と言う文字は縁起の悪いものではなく、「神に仕える清浄さ」を表したのが本来の意味です。小忌衣は大嘗祭などの重要な神事に際して、男子の束帯や女子の唐衣・裳(十二単)の上に羽織りました。白の麻布に草(山藍)で素朴な文様を刷り込んだものです。ここでは平成の
裳の摺文(ものすりもん)
十二単の後ろに長く引く「裳」には、木版で摺り模様を表します。州浜形など海浜の風景などが好んで描かれました。ここでは明治以降の皇室の女性が着用した裳の「桐竹鳳凰」をモチーフとしました。現実の装束ではあり得ないネガでは幻想的な風景が広がります。
舞楽装束・半臂の柄(ぶがくしょうぞく・はんぴのがら)
雅楽演奏のもとに繰り広げられる舞楽。ここではもっともポピュラーな「萬歳楽」で袍の下に着る半臂(はんぴ)の柄をモチーフとしました。本来は襷柄の中にある意匠(地文襷参照)ですが、意匠を際だたせるために襷柄は省略しました。
舞楽装束・袍の柄(ぶがくしょうぞく・ほうのがら)
舞楽装束は織り柄よりも刺繍柄で彩ります。ここでは青海波の地紋に千鳥が舞飛ぶ袍の文様を紹介します。
七宝(しっぽう)
輪が連続してつながる文様です。仏教で宝石各種を「七宝」と言いますが、この文様との関係は明確ではなく、むしろ七宝つなぎ「輪違い」の一種である「四方つなぎ」の「四方(しほう)」が変化してそう呼ばれたとも考えられています。「一條家四方繋ぎ」は、摂家である一條家の子供が殿上(宮中)に上がる際に着た「童昇殿袍」に見られる文様です。
亀甲・青海波
連続性のあるこれらの文様は、吉祥紋として好まれ、今日でも盛んに用いられています。
亀甲織物
実際の亀甲文様を織り出した布の写真画像です。
御簾帽額(みすもこう)
室内外を仕切る御簾(すだれ)の上の縁につけられた布が「帽額」です。か文と蝶の組み合わせの文様が用いられました。